羽毛布団で寝汗をかく主な原因

羽毛布団は、本来適したものを使用すれば汗をかきやすい寝具ではありません。
それでも夜中に汗でびっしょりになるのは、以下のような要因が考えられます。
側生地がポリエステル
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ポリエステルは軽くて柔らかく、特に安価な羽毛布団に広く使用されています。
ただ、湿気を吸う力(吸湿性)が弱く、
寝ている間に身体から出る水蒸気をほとんど吸収しません。
また、
通気性も低く、蒸れやすくなります。
構造が2層式(ツインキルト)
羽毛布団の表と裏のマスの数が同じ1層式に対して、数が異なる2層式(ツインキルト)という構造があります。
この2層式は保温力が高い一方で、表と裏の生地の間に
ポリエステルやナイロンなどの生地を入れて仕上げるため、重くなったり通気性が悪く蒸れやすくなる欠点があります。
体質や住環境とのミスマッチ
暑がりな方や室温に対して羽毛布団のボリュームが大きすぎると、必要以上に汗をかく場合があります。
そのため、
体質や住環境に合った厚みのものを使用するのがベストです。
改善した実例:生地と構造を変えるだけで快適に
夜中に寝汗をびっしょりかいていた羽毛布団の、生地と構造を変えるだけで快適に眠れるようになった事例をご紹介いたします。
※動画でもご紹介していますので、もし宜しければご覧ください。
兵庫県姫路市にお住まいのT様が
『最近買った羽毛布団だと、寝汗をかきすぎて眠れない…』とご来店なさいました。
お持ちいただいた羽毛布団の詳細
お持ちいただいたのは、無印良品のシングルサイズ冬用です。


スペックは以下となります。
メーカー | 良品生活(無印良品) |
羽毛 | グレーグースダウン85% |
羽毛量 | 1.3kg |
生地 | ポリエステル100% |
キルト縫製 | 2層式(ツインキルト) |
ご自宅は一戸建てで、冬場は室温が10℃以下になるほど寒くなるようです。
羽毛はダウン85%で1.3kg入りですので、
室温に対してこのスペックは悪くありません。
では、どうして寝汗をびっしょりかくのでしょうか?
生地がポリエステル、そして2層式(ツインキルト)構造
今回の原因は、ポリエステル生地 + 2層式(ツインキルト)構造の組み合わせにあると考えられます。
⇩生地がポリエステル100%
⇩構造が2層式(表 横3×縦4マス / 裏 横4×縦5マス)※画像をスライドすると、表と裏のマス目が変わります。

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T様は寝汗をかきすぎるために、ほとんどご使用なさっていませんでした。
念の為に生地の中から羽毛を取り出して状態を確認しましたが、ほとんど傷んでおりません。

そこで、今回は生地だけを交換する
『側生地交換』のリフォームを行いました。
羽毛量はそのまま、生地と構造だけを変更
リフォーム後 羽毛量 | 1.3kg(変更無し) |
生地 | 綿100% |
キルト縫製 | 1層式(5×6マス) |



羽毛量はそのまま取り出した1.3kgを入れて変更せず、生地を綿100%、さらにマス目は1層式(5×6マス)で仕上げました。
通常のシングル冬用(4×5マス)に比べるとマス目が細かく、よりお身体にフィットします。
また、マスの中で羽毛が動きにくく、傷みや片寄りも抑えます。
生地の種類は80番手サテン、現在のポリエステルよりはやや重くなりますが、綿100%生地の中では軽い部類です。
サテン織ですのでソフトな風合いで、これまでのポリエステル生地と掛け心地は大きく異なりません。
さらに吸湿性や通気性に優れるため、より蒸れにくくなります。
お使いいただいたご感想
仕上がった羽毛布団を1シーズンお使いいただき、お喜びの声をメールでいただきました。
『その節はお世話になりました。
リフォーム前と違って、
とても快適です!
全然蒸れてないので、問題ございません!』
このように、
生地や構造を見直すだけで、寝汗のお悩みは大きく改善される場合があります。
では実際に、どのような点を見直せば良いのでしょうか?
寝汗をかきにくい羽毛布団を選ぶためのポイントと見直し方
生地の素材
ポリエステルでは無く、
吸湿性・通気性に優れた綿100%が基本。
特に暑がりな方には、ドイツ製など海外製の平織生地(バチスト)がさらに通気性が高くてオススメ!
(布団カバーやパジャマなどの直接触れる部分も天然素材が◎)
布団の構造
羽毛量とバランスの良いマス目の
1層式がオススメ!
保温力を最優先する場合のみ、2層式を検討。
寝室環境
冬でも暖かい部屋→合掛けなどの薄めのもの+カバーや毛布で調整
極端に寒い部屋→しっかりした厚みでフィット感の高いもの
寝室の温度・湿度を測ってみる
快適に眠るためには、まず自分の寝室環境を知ることが大切です。
- 冬場に室温がどの程度下がるのか?
- 湿度は何%を超えると蒸し暑く感じるのか?
- 室温が何度のときに、どの寝具が快適なのか?
季節ごとの室温や湿度、それに対する体感を知っておくと、自分に合う羽毛布団を探しやすくなります。
温湿度計は高価なものでなくても十分。
私も寝室に置いて、数値を目安に寝具を調整しています。
まとめ
今回の記事について、簡単にまとめました。
- ポリエステル生地や2層式構造は、蒸れやすく寝汗の原因になりやすい
- 綿100%生地+1層式構造に変えるだけで、快適さが大きく改善される場合がある
- 室温・湿度を測って環境に合った厚みを選ぶのが大切
もし現在お持ちの羽毛布団についてお悩みの方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
ほとんど使用していない場合は「側生地交換コース」がオススメ!もし現在お持ちの羽毛布団で寝汗がひどく、ほとんど使用していない場合は「側生地交換コース」のリフォームをオススメします。

詳細は、
こちらからご覧いただけます。
以上、今回は寝汗をかきやすい羽毛布団についてご案内いたしました。
もし何かご不明な点等ございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
私たちが、皆様をお待ちしております!